前期試験を終えての感想 其の一[帰郷編]
まさか自分が大学受験をするなんて思っていなかったのだ。「受験がめんどくさいから大学には入らん」とわめき散らし、国際指名手配を受けていた小学生の自分に「お前、大学受けるで」と言ったらどんな反応をするだろう?驚いてダチョウの卵を投げつけられるかもしれない。あるいは、「そんなのウソだ!」と叫んでダチョウの卵を投げつけられる可能性もある。ダチョウはたまったものではない。私が大学受験をしたせいで、試験時間中にダチョウが絶滅してしまった。
二日に及ぶ試験が終わり、ダチョウは言った。「お前落ちるぞ」と。なぜかといえば、数学が全然できなかった以前に、字が汚すぎるのである。国語と地歴の時、なんだか時間が余るなあ…と思っていたのだが、それは字をてきとうに書いていたからだ。
「高校の採点者はやさしい。受からせるために採点してるのだから、ある程度字が汚くても、はたまた解答欄からはみ出していても、マルをつけてやる。しかし大学の採点者はきびしい。落とすために採点してるのだから。受験者が多すぎるから、字が汚くて読めない答案はバッサリと切ったほうが都合がいいんだ」と職員室のジャイアントモアが言っていた。とうぜん、字が汚い答案は読まれないばかりか、ウミネコの餌にされる。ウミネコがそれを食べ、尻から点数が排出される。しかし、消化の過程で点数は半分になってしまう。たとえ書いている内容が同じでも、字がきれいな答案が優先的にハシビロコウの餌として与えられ、点数が1.2倍される。
そんなことを考えながら、帰りの列車に乗っていた。列車ではタンチョウが車内販売でキジの肉を売っていた。同じ鳥なのだが、仲間意識はないらしい。キジの肉とコーヒーを買い、両者を持参していたヨーグルトに混ぜて食べた。こうすると合格できる…というジンクスが、雲南省の少数民族の間で流布している。何を隠そう、私は雲南省出身のハシブトガラスなのだ。
LIMBO-0***-2-EE22における天候の変化
[緊急封印作業]
※LIMBO-0***-2-EE22 天候庁 2022/02/01発表
・EQTOSの御慈悲から2年半。EQTOSとAnarchy ACの脅威は去ったものの、 新たなる「人神」、CnCPT-V-Lifeline**が谷に現れた。・各集落のタンクの虹色の資源に影響が出ることは予測されるが、新たな虹色の資源を獲得する手立ては、相互の蜘蛛を利用するか、あるいは別の宝石鳥の養雛になることによって得られると予測される。・CnCPT-V-Lifeline**が柱に与える好影響は弱く、Ad-SnInCを打倒できていないが、それの出現が少なくとも受験にとって良い変化であることは間違い無いと宣言する。・また、柱に与える悪影響については、思考の言語化に伴う劣化により解決される。・CnCPT-V-LIfeline**の詳しい性質や結果については不明だが、今のところ柱に重大な悪影響は及ぼしておらず、歩行する者は変わらず歩行している。また、居住する民は、歩行する者に干渉しない態度を今まで通りとっている。
居住する民は、慌てず騒がず落ち着いて対応する事。殺し合いや雨宿りは必要ない。
歩行する者は、勉強に励む事をすすめる。
※これ以降一か月間、天候庁は発表を行わない。
更新一時停止
共通テスト一日目 各教科の感想
世界史
特に難しいことはなかった。「2年目は難しいぞ、2年目は難しいぞ、ウッホホイ」と近所に住んでいるゴリラが毎秒200回のペースでドラミングをしながら言っていたが、そんなことはなかったようだ。…とこの時点では思っていた。
しかし、コシューシコが出題されなかったのは残念。
日本史
まあまあ難しいけど面白かった。名字と名前の問題があり、前々からウジとかカバネが欲しいなあ…と思っていたので、ちょうどいいタイミング。100点をとったら大学入試センターから「源」姓をもらえるというウワサである。でも私はウジなら「葛城」、カバネなら「稲置」がいいなぁ。あと、松川事件を起こしたのは近所のゴリラだ。だれか通報してください。
国語
評論…前半は良い。よだかの星、せつないけどいい話だなあ。ヒラサワは宮沢賢治に影響を受けているらしいけどたしかに似たような雰囲気が感じられた。
漢字の新傾向問題はもっとやれ。なんなら全部漢字でもいいぞ。あっでも問題文まで全部漢字で書くのは夜目弖久礼。
後半はグロイ。「あなた」を「豚肉」にたとえている。これでは「私」は「牛肉」に、「彼」は「鴨肉」にたとえることになり、日本語の一人称に影響を及ぼす可能性がある。豚肉が消化されうんち(うんこではない)になるまでの過程が事細かに書かれており、アンチマヨネーズのSCPを思い出させ、食後にはよろしくないというか、食後じゃなくてもなかなか精神衛生上よろしくない文章だった。実際、私はこれを解いている途中に豚肉になってしまい、試験監督にそれを申し出たところ、不正行為で退場となった。
小説…謎。でも問題は評論と古文に比べたら難しくない。これを機に私も庭に看板を設置してみることにしたい。実際、私はこれを解いている途中に机の上に看板を設置してしまい、「看板は机の上においてもよい」というルールはないので不正行為で退場となった。
古文…うたて、さらにえ解けず。ここは才なのめなればこれを解くにはまだしかりけむ。日ごろかやうに古き文をまねびて日記など書きたるものを、かたはらいたきわざかな。(適当)
漢文…不思議な蝶が出てきたけど、あれを捕まえてエーミールのところに持っていってもせいぜい20ペニヒくらいしかくれなさそうだ。しかもペニヒはドイツのお金だから中国では使えない。困った。
英語リーディング
フルーツがおいしそう。
カメラの話と「昼型人間」「夜型人間」の話がなかなか興味深かった。でも共通テストの問題にされると興ざめである。興ざめすぎて0ケルビンを下回り、物理法則が崩壊する。物理法則が崩壊すると、ブラジルのフルーツが売れる。ブラジルのフルーツが売れると、桶屋が儲かる。桶屋が儲かると、不正行為で退場となる。
英語リスニング
ICプレイヤーの絶縁シートを「共通テストと絶縁できる」=「二度と共通テストを受けない」=「第一志望に受かって浪人しない」縁起物として販売するのはどうだろう?私は絶対買わない。…というか、共通テスト受けた人ならほぼ全員持っているだろうから、売れない。でも絶縁シート収集家には売れそうだ。
第一問と第二問でレッスンナゲェン!と言われるたび、笑いをこらえるのに必死だった。マイアミのビーチで「ヘイかわいこちゃん、ハンバーガーとステーキ食いに行かねえか?なあボブ!」と半裸で叫びながらブイブイいわせてるサングラスかけた中肉中背の屈強なボディビルダーみたいな声で「ヘイ、もう一度聞こうぜ!」と言ってくるのだ。そのボディビルダーとは私だ。
気づいたら明日は共通テストな件
気づいたら明日は共通テストである。
今までもこういうことは何回かあった。気づいたら明日は遠足だったり、気づいたら明日は修学旅行だったり、気づいたら明日は明後日の昨日だったということもあった。
しかし、共通テストというのはどういう種類の遠足なのだろうか。
旅のしおりを見てみると、行先は大学と書いてある。おかしい。遠足なら普通山とか海とか、自然を見に行くものであるが、大学は自然のものなのだろうか。たしかに、与那国島の海底で発見された遺跡は人工物か自然物かという論争が以前あったが、私は大学は人工物であるという立場をとっているし、それが学会でも定説となっている。
これに異議をとなえたのが、ウガンダの物理学の権威・野田ピーナッツ博士だった。野田ピーナッツ博士が、バッタを倒しにアフリカへ行っていたところ、突如火山の大噴火にともなって大学が土から生えてきたのを見ておどろいた、という論文を「中央公論」に発表し、バブル期に大注目を浴びたことは記憶に新しい。野田博士の影響で一時期「土から生えてきた大学の模型」とか、「土から生えてきた大学まんじゅう」、「土から生えてきましたクッキー」などが各地の温泉地で販売され、それを機に従来のセンター試験から、共通テストへと切り替わることとなった。
話がそれてしまったが、大学というのはいったいどういう種類の海底遺跡なのだろうか。
大学の所在地案内を見てみると、大学はバスで行けると書いてある。おかしい。海底までバスが走っているのだろうか。たしかに野田博士の家はチャレンジャー海溝の底にあり、JR東日本が宇都宮駅からそこまで走るバスを開通させ、一時期「チャレンジャー海溝まんじゅう」が特定外来生物として日本のブラックバスを絶滅させたことは記憶に新しい。その影響で大学入学共通テストは2年目を迎え、「国語」「英語」「地歴・公民」「数学」「理科」に加えて「ブラックバス」が追加された。ブラックバスへの理解と、ブラックバスの日常生活への応用が求められている。
国、英、社、理、ブの勉強は頑張ってきたが、数学がまだ完成していない気がする。泣いても笑っても明日であるので、こんなブログ書いていないでとっとと寝て体調管理をするとともに、がんばって息切れせずにチャレンジャー海溝の底まで泳ぐ方法を会得したいと思う。
ダイヤモンドだね~
↑私の家の勝手口から見た景色。嘘である。
目が覚めるとそこは雪国であった。どうも巨大寒波が襲来して豪雪になったらしい。しかし、それは外に出ているから寒くて辛いのであって、家の中にいて、暖房の熱波に襲来された状態で窓からながめている分にはただただキレイなだけである。
積もった雪は、ダイヤモンドのように光っていた。ここで問題が生ずる。
人は何かがキラキラ光っているとすぐ、ダイヤモンドのように光っている…と表現するが、ダイヤモンドの立場に立って考えてみてほしい。これはダイヤモンドをたかし君に置き換えてみるとわかりやすい。たかし君は、どこかで何かが光るたびに「たかし君みたいだねえ」と噂をされているのである。これではクシャミが止まらないばかりか、肖像権の侵害という問題も発生する。
このような考察から、ダイヤモンドが宝石店で高値で売られている理由がわかる。
つまるところ、我々はダイヤモンドの契約料を払っているのである。ダイヤモンドは比喩に多用されるから、莫大な金額の契約料を払う必要があるのだが、一人一人がいちいち払っていたのでは煩雑だ。そこで、少数の代表者、すなわち鉱物愛護主義者の富豪たちが、「宝石店でのダイヤモンド購入」というかたちで、まとめて支払っているのだ。インドとかに行くと怪しい宝石商のおっさんが宝石を熱心に売りつけてくるけれども、あれはちかごろ鉱物愛護団体の活動が活発で、宝石屋の売り上げからダイヤモンドの契約料と称して勝手に金を巻き上げているからである。
↑エメラルド号。
もちろん、契約料は他の宝石についても発生する。トマトの品種で「こしのルビー」とか、小浜線で昔走っていた急行で「エメラルド」号というのがあるけれども、我々がそういうものを利用するたびに、今日もどこかで富豪がルビーやエメラルドを買いまくっているのである。
賢明な読者の方ならすでにお気づきかと思うが、宝石に限らず、我々がこの世の中の高いモノを買うときにはいつでも、そのモノ自体の値段だけでなく、そのモノの肖像権に伴う契約料も同時に支払っている。
ということは逆説的に、土地とかグリーン車の切符とか一杯百万円のカニとかも、私たちの知らないところで誰かが比喩に使っている、ということになる。資本主義経済を維持するために、今日もWMO(World Metaphor Organization,世界比喩機関)のエージェントたちが、「今日の天気は3丁目の3番地のように良いものであった…そう思わぬか」「まことにそう思います。東京の物価みたいな天気でしたね」「隊長っ!駅前でホテルのルームサービスみたいなオッサンを見かけたであります!」などといった、決死の比喩を遂行しているのである。